「この話、だれかを告発する類のものではないと思います。
むしろ”業界の前提が一度も整理されてこなかった結果”です」
そう語るのは、
ライブ配信業界に長く関わってきた関係者だ。
本記事で扱うのは、
・特定のライバーの違法性
・特定の配信アプリの問題
ではない。
ライブ配信業界が、
どの地点で”売上”と”収入”を認識しているのか。
その前提が、制度と噛み合っていない可能性。
その、1点に絞っている。
投げ銭売上は”どこで”確定するのか
業界に詳しい人によれば、
多くの配信アプリでは
次のような構造になっている。
①リスナーが課金してポイントを購入
②ポイントを使ってライバーに投げ銭
③投げ銭売上が確定
④還元率に応じてライバーのウォレットに反映
この時点で、
・現金化できる
・アプリ内で使用できる(経済的価値がある)
という状態になるケースが多い。
現金化はしていない!
業界に詳しい人によれば、
「現金化の前段階で、それが”税務上どう扱われるか”を、だれかから説明された記憶はない」
といったように、
ライブ配信業界では、
・現金化したかどうか
・銀行口座に入ったかどうか
が、
売上や収入の基準として
感覚的に使われている。
関係者が語る「あり得るケース」
関係者の話を総合すると、
次のようなケースは
決して特殊ではないという。
・年間の投げ銭売上
2億円
・配信アプリの還元率
40%
・ウォレットに反映され、
現金化も可能な金額
8,000万円
ここまでは、
多くの人が理解できるだろう。
問題は”その8,000万円”の使われ方
業界に詳しい人は、こう続ける。

その8,000万円を、すべて配信アプリ内でギフトに交換し、他のライバーに投げるという行為自体は、業界では珍しくありませんよ。
結果として、
・銀行口座への入金
0円
・確定申告
行っていない
という状態が生まれる。
本人の認識と制度の見方
業界に詳しい人によれば、
ライバー本人の認識はこうだ。

・現金を1円も受け取っていない
・アプリ内で使っただけ
・仕事上の付き合い
・広告や宣伝の一環

仮に問題になっても広告宣伝費として全額計上するつもり
という認識だという。
制度側は、そこをどう見るのか
税務に詳しい関係者は、
冷静にこう整理する。
税務が見るのは、
・経済的価値を得たか
・それを自由に使えたか
現金化したかどうかは
判断の中心ではない。
8,000万円は「収入」なのか
業界で最も共有されていない論点。
このケースで
最大の分岐点になるのが、ここだ。
・自分のウォレットに反映される
・現金化も可能
・ギフトへの交換も自由
この状態になった
8,000万円は、
税務上、収入として成立している
と評価される余地がある。
と専門家は指摘する。
「現金化せず配信アプリ内で使ったから収入じゃない」は通らない
8,000万円を、
・現金化せず
・全額ギフトに交換
したとしても
収入が成立しなかった、
という理由にはならない。
収入が成立したあとに
どこに使ったか、
という扱いになる。
広告宣伝費で落とせるという主張
では、その8,000万円は経費になるのか。
ライバー本人側は、
「配信活動上の広告宣伝」
「業界内のプロモーション」
として、
全額を広告宣伝費に
計上する考えだという。
税務上の評価は、かなり厳しい
税務に詳しい人は、こう話す。
広告宣伝費として認められるには、
・事業との直接性
・売上との因果関係
・第三者への説明可能性
が必要です。
他人の配信に投げる行為は、
・応援
・交際
・娯楽
と評価されやすい。
そのため、
全額が広告宣伝費として
認められる可能性は低い。
と見るのが一般的だ。
なぜこの話が業界に広がり始めているのか
「金額」ではなく「前提」が問題。
この話が重く感じられるのは
金額が大きいからではない。
・2億円でなくても
・2,000万円でも
・200万円でも
同じ前提のズレは成立する。
業界全体が、
「どこで売上が確定し、
どこで収入が成立するのか」
を共有してこなかった。
それが、今になって
制度とのズレとして
浮かび上がってきている。
これはだれかを裁く話ではない
この記事は、
・ライバーを断罪するためのものではない
・事務所を責めるためのものでもない
説明されてこなかった前提を、
初めて文章にしただけだ。
読者に残る問いは1つだけ
自分は”どのタイミング“で”売上が確定“していると思っていたか。
この記事を読んで、
・違和感を覚えた
・不安になった
それは
あなたが悪いからではない。
業界として、
そこを一度も整理してこなかった
だけだ。
→ ライバーの売り上げが”確定”する”本当”の瞬間をまとめた記事はこちら
終わりに
ライブ配信業界は
スピードと感覚で
ここまで大きくなった。
しかし
感覚で扱われてきた数字は、
いずれ必ず制度と向き合う。
この話は
恐怖を煽るためのものではない。
業界が次の段階に進むために、
避けて通れない確認作業
その入口にすぎない。
ここから先、
考える番だ。




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